漁師の収入についてキャッチ

インターネットの情報を鵜呑みにしないで!

インターネットで「漁師 収入」「漁師 給料」などと検索をしてみるといい加減な情報が氾濫しています。

まず、漁師の収入は漁業種によって全く異なります。おそらく、日本国内で数百種類の漁業種があり、それぞれに収入形態が違うはずです。さらに、同じ漁業種でも会社ごとの就業規則のような物もあると思いますし、もっと言えば、同じ漁船の中でも船長や機関長といった上級職と一般甲板員では収入が大きく変わってきますので、簡単に遠洋漁業は〇〇円くらい、沿岸漁業は〇〇円などとはカテゴライズできないはずです。漁師をしていて高収入の方もいればそうではない方もおります。

しかしながらインターネット上では、ある程度の目安となるような書き方をされていることが多く、沿岸漁業では〇〇円くらい。沖合漁業では〇〇円くらい。遠洋漁業では〇〇円くらいといったように大雑把にカテゴライズされているサイトをよく見かけます。

また、インターネットで一般の方が質問を投げかけ一般の方が回答する、いわゆる「質問投稿サイト」に、例えば、漁師の収入ってどのくらいですか?と質問があったとします。それに返答される方というのは、確かに漁師をされていた方が多いのですが、その人の答える情報というのは、数百種類もある漁業の内、自分が実際に経験した1つの漁業種の情報にすぎません。

その人が、まるですべての漁業の代表であるかのように、漁業なんて船のローンと油代でお金すべてが消えてしまうだとか、今年は不漁でほとんど給料が出なかっただとか。本当に魚釣りが好きでないとやっていけない等々、そういった1つの漁業種にスポットを当てた、偏った情報を書くことによってそれが漁師の全体像だと世の中に認識されてしまっている事に非常に憤りを感じます。

漁業は現在、人手不足ですが、漁業に対する情報不足も大きな原因のひとつだと思います。

収入は「漁業種・会社ごと、個人の経験等」によって大きく変わる!ネットの情報だけではなく直接、自分の就職したい漁業会社の担当者に聞くのが本当の収入を知る上ではベスト!

漁師の正確な収入を調べてみよう

私が最も参考になると考えるサイトは「全国漁業就業者確保育成センター」のサイト「漁師.jp」の中にある求人情報です。

漁師.jp求人情報掲載ページ(https://ryoushi.jp/info_work/)

ここには日本全国の漁業の求人情報が掲載されており、漁法別、あるいは地域ごとに絞って収入を調べる事が出来ます。

ただし、このサイトでも気を付けなければならない所があります。

それは、各会社の求人情報を調べていくと、月収・年収の部分に、会社によっては「20万円~出来高制」「20万円(歩合制)」などと書かれている場合があります。この意味は給料の最低補償+歩合金といった意味になるのですが、気を付けなければならないのはこの歩合の部分です。一般的な陸上で働くお仕事の場合はこの歩合金は基本給に少しだけ上乗せされるくらい。あっても数万円単位。というイメージを皆さん持っているかと思います。ですが、漁師の場合はこの歩合が最低補償を大きく上回る事もあり、収入の大部分を歩合金で占め、高収入を得る漁師も居ます。つまり、求人情報に20万円~出来高制と書いてある場合でも、これには年収1000万円をこえる漁業種でもこのような掲載の仕方をしている可能性もあるという事です。求人情報に書かれている金額だけでは本当の給料は見えてこない場合もあります。

漁師の給料出来高制

従い、ほんとうに正確な収入を調べたい時には求人情報に掲載されている会社に電話をしたり、面接をしてもらったりして、正確な数字を教えてもらうしかないと思います。また、漁師の収入は個々の経験(乗船経験、所有海技免状)によっても大きく変わりますし、出来高制の場合、個人の頑張りに応じて給与を算出する会社もあります。少し厳しい事を言うと、船に乗っていればただそれだけで基本給以上のお金が貰えるという訳ではありません。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

世の中には、漁師の収入に対するネガティブな情報があふれかえっています。しかしながら、景気の良い漁師も確実に存在します。

ここまで読んでくれた方だけでも、インターネットの情報収集のみで、漁師の年収を調べた気になって、せっかく興味を持った漁師という素晴らしい魅力のある職業を人生の選択肢から消してしまうような勿体ない事だけはしないようにして頂ければ幸いです。

変動しやすい物だからはっきりは書きづらい「出来高制」その中身は夢があるのかも知れません。過去の出来高実績を直接聞いてみると、より具体的にイメージ出来るかと思います。